米粒遊歩 〜自由と孤独と本と手帳〜

旅のあれこれを手帳に書き残すように。

365日、ほぼ日手帳と旅をする

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2016年〜2019年にかけて一日1ページの『ほぼ日手帳を使ってみて、一番しっくりきたのは『思いついたことにタイトルをつけて書く』ことだった。

謂わばエッセイのようなものだ。

ある日の『ほぼ日手帳』の中身

今となっては本当にどうでもよいことから、ささやかな感動まで、雑多な手記が残っている。

 

相棒としての手帳

日記を書く習慣なんて、これまで全く無かった。

だからこそ、なのかもしれないが、私にとっての『ほぼ日手帳』は、考えたことをただ傾聴してくれる良き相棒のような存在になった。いつの間にか、自然な形で内面を受け止めてくれていたのだ。

手帳を相手取って深く思考するというよりは、頭の中でごちゃごちゃと絡み合っている一本選んで、抜き出してみるような感覚だろうか。

ちょうど『エッセンシャル思考』のようなイメージかもしれない。

何でもいいから書き出していると、頭の中がスッキリしてくるという効果があることに気がついた。

人と話すのと同じ効果がある。いや、きっとそれ以上。

間が悪くて中断したり、途中で話の腰を折られたり、なんてことはなく、ただ静かに聞いてくれる良き相棒だ。

 

文章はめちゃくちゃでも良い。うまく伝わらずに、話したいことが話せず終わるなんてことはないのだから、気張らずひたすら自由に表現できる

ちなみに、無駄なことを考えてみるのは、それなりに楽しいものだ。

 

一日1ページ必要か

文字として可視化』すると、漠然としていたことも捉えやすくなるのだろう。

そういった意味では、A6サイズは、ちょっとまとまった文章を書くのに丁度いい。時々足りないけれど、その〈時々〉のためにA5サイズの『カズン』を前にすると、その広さに途端に尻込みして、はじめの勢い倒れになってしまうことは経験済みだ。

ある日の『ほぼ日手帳』の中身

その日のページを開いた時に、ふと頭によぎったことについて簡単に考えてみる。そして勢いのままに書き殴る。

するとちょっとした自分の変化が記録されていることもある。

ある日の『ほぼ日手帳』の中身

下書きも文章校正も何もないから、文章は雑だし、時に書き間違っていても気づかないことすらある。

気づいたけれどネタにしかならない『書きまつがい』

でも、それで良いのだ。

その内容よりも、『書き出すこと』そのものに意味がある

 

『日々の言葉』の魅力

ほぼ日手帳は決して安価ではない。けれど仮に一度も筆を降ろさなかったとしても、本を一冊買うのと同じ価値があるように思う。

毎日のページに、ほんの一言綴られている『日々の言葉』。

この存在は本当に奥が深い。

 

1.自分の足で、しっかり立てる、歩けること。おんぶされながら口だけ動かしているのはだめ。

2.誰かの手助けができるくらいの力をつけること。力がないと、誰に手を貸すこともできない。

3.そのための勉強や練習は、毎日忘れないようにしようねということ。

このくらいのことだけを、毎日忘れないで続けていたら、それなりに大人になっていくでしょうし、けっこうおもしろくなると思うのです。

――糸井重里が『16歳の背中。』の中で

(引用元:ほぼ日手帳2016、オリジナル、12月2日の言葉)

コピーライターにして、『ほぼ日』の社長でもある糸井重里氏の言葉にはじまり、

 

さまざまな文化的背景をもった学生たちが寮生活をおくるなかで、日々、アイデンティティーが崩壊するようなできごとに出会うわけです。これまでの20年くらい生きて培ってきた自分の価値観を問われることって、きっと、ものすごい経験なんだと思います。自分にとってイヤなものを認める、受け入れる力というのは、APUの宝。それって「未来の力」でもあると思うんです。

――今村正治さんが『はたらく場所はつくれます論。』の中で

(引用元:ほぼ日手帳2016、オリジナル、8月22日の言葉)

 

Instead of showing off your knowledge, just try to express original thoughts in an interesting way. That way you can draw out others' opinions. The point is not to win arguments, but to cultivate discussions that can change you and the other party. Maintaining that approach is the essence of enjoying discourse.

――Juichi Yamagiwa

        anthropologist/president, Kyoto University

        "Let's Talk about Gollias in This Year of the Monkey"

(引用元:ほぼ日手帳2018、英語版オリジナル、4月23日、24日の言葉

*英語版は見開き2日で一つの言葉

 

いろんな方の言葉が収録されている。

著名人の格言・名言というよりも、『誰かがどこかで語った言葉』だ。

それが気に入っている。

 

現場の「肌感覚」と言いますか、何ごともやってみないとわからないなあって、いつも思っているんです。世の中で起きていることに対して、何か「評論する」のは簡単なんだけれども、でも実際、自分がやったらどうなのか。

それってやってみた人にしかわからないですよね。

――岩佐十良さんが『デザインだけでは潰れるし、数字ばかりでは、つまらない。』の中で

(引用元:ほぼ日手帳2017、オリジナル、7月31日の言葉)

 

入試や就活で「人生ここで決まるんだ」って思ってる人たちに、「そんなことはないよ。それで何か決まるなんて大間違いだよ。何も決まらないよ、そんなことでは」って言いたい。ダメになろうと思えばいくらでもダメになれるし、面白くなろうと思えばなれるから。

――浅生鴨さんが『勉強の夏、ゲームの夏。2015』の中で

(引用元:ほぼ日手帳2017、オリジナル、1月14日の言葉)

 

昼食か夕食か、ちょっと食事をご一緒して、何気なく聞いた話が耳に残った。

そんな感触の言葉が選ばれていて、しみじみすることが多い。

 

毎年その僅かなスペースのために、しかも365日分の緻密な編集がなされているであろうことは想像に難くない。手帳の使い方によっては、このスペース分を惜しく感じる場合もあるみたいだけれど、私はここに『ほぼ日手帳だからこその価値』を見出している。

 

時にニヤリとしてしまうような『言いまつがい』も読み応えがある。

 

会社にけがを報告する時、

「あばらにヒビが入りまして」と言うつもりが、

「あばらにホネが入りまして」と言ってしまいました。

――『言いまつがい』より

(引用元:ほぼ日手帳2019 spring版、オリジナル、2月27日の言葉)

あーやっちまいがちだなあと共感しつつ、言葉の面白さが浮き彫りになっていることにハッとする。

 

Everyone in my family wears glasses. One day my dad was wandering restlessly through the house, muttering. "I can't find my glasses."

We all joined in the search until my mom burst out laughing.

"I found them," she cried.

Turns out she'd been wearing them.

――"Slop of the Tongue"

(引用元:ほぼ日手帳2018、英語版オリジナル、12月21日、22日の言葉

寒い時期のページに、ほっこりするような日常の珍事件が綴られていることもある。

 

しかも"Slip of the Tongue"(言い間違い)じゃなくて、"Slop"(うっかりやらかす)になってる。もしかして"Slop of the Tongue"(言いまつがい)なの? 笑

 

ほかにも

右手から落ちた卵を、

左手でキャッチした。

早朝のキッチンで、ひとり小さくガッツポーズ。

――『今日のミラクル』より

(引用元:ほぼ日手帳2017、オリジナル、4月28日の言葉)

ちょっとしたミラクルが、素敵なひとこと日記になる。

そんな良いお手本も。

まさかとは思うけれど、ガッツポーズした手で卵を握りつぶすような裏話は無いですよね?

心なしか期待しちゃう。

 

そういえば私も、『卵を割ったら黄身が双子で、それが連日続いた』という珍事件について、どこかに書いた覚えがある。

 

〈デートのとき、心がけていること〉

会えるその日までの自分を、一生懸命生きること。

――『みんなの東京デート75』より

(引用元:ほぼ日手帳2019 spring版、オリジナル、5月31日の言葉)

誰かのさり気ない心構えが、静かに語りかけてくることだってある。

 

人間は言葉を使ったコミュニケーションを今もなお続けている。

むしろ進化しているのだ。洗練された文章に、ウィットに富んだ表現。

そんな言葉に日々、無意識のうちに触れられることが素晴らしい。

毎日ほんの一言。だから良い。

 

365日の旅路に

とはいえ、できることなら365日、一日1ページの旅の手記を残しながら旅をしてみたい。

日誌のようなものでなくとも、テーマを決めて記録するのも一つの手だ。

例えば……

  • 食べたもの / 店
  • 出会った人、話した人
  • 服装
  • 泊まった宿
  • 滞在した街 / 国
  • 訪問したスポット
  • お金の記録
  • 感じたこと

白紙の手帳を持って旅に出て、日々のこと、心境の変化をつらつらと書く。

代わり映えのしない日が続いたとしても、旅先ではいろんな刺激があるし、日常のように過ごしていても、浮き彫りになるものがあるだろう。

旅を終える頃、手帳はどんな風に様変わりし自分はどんな風でいるのかなんて、全く想像がつかない。

 

これは夢である。

現実には365日旅をするということが難しい。

しかし、365日記録するならできるかもしれない。

相当、根気が必要だろうけれど。

 

空想の旅に

もしかしたら架空の旅を綴るということもできるかもしれない。小説を綴るように、〈日常〉をまるで〈旅先〉に居るかのように置き換えたりして綴ってみせるのだ。

そういったことが楽しめるくらい、書く習慣と、表現する力を身に着けたい。

 

 

雑誌にて

余談ですが……

手帳の中身をinstagramで公開していたところ、手帳関連のムック本『夢をかなえる!私の手帳術』に取り上げていただきました。

ちょこっと載る程度かと思いきや、目次ページにも写真があり、紹介ページ(P.42-43)はなんと見開き丸々でした。

恥ずかしくも嬉しかったです。ありがとうございます。

手帳のマンスリーページを利用したきのこアルバム

【スケジュール管理】のページながら、山歩きで見つけたきのこアルバム(マンスリーページ利用)まで取り上げて下さいました。

掲載雑誌と手帳たち

該当ページと歴代のほぼ日手帳たち。

 

ほぼ日手帳を使い始めたきっかけの話はコチラ

 

 

【参加中】

今週のお題「はてな手帳出し」