Tiny Journey

身軽に旅するミニマルバックパッカーの旅と読書の記録、時々手帳

霊場恐山へ行ってきた - 夏の18きっぷ旅 -

おはようございます

cometです

 

先日、春季の青春18きっぷの発売期間が始まったようです。18きっぷはこれまで散々お世話になってきました。ということで、2018年の夏に18きっぷで恐山へ行ってきた話を少々。

 

 

恐山って?

高野山、比叡山と並ぶ屈指の霊場で、あの世に最も近い場所と称されることもある神聖な場所です。そう表現される所以は、口寄せを生業とするイタコの存在にあるのかもしれません。

 

死者の霊を自身の身体に憑依させて、死者の言葉を代わりに伝えること

 

口寄せを行う霊媒師、シャーマンの一種

 

現代の日本では恐山のイタコが有名ですが、邪馬台国の卑弥呼もいわば口寄せをする者として君臨していたのだと理解しています。

 

神霊や祖先の霊を通じて予言や治病を行う呪術者のこと。その手法は歌やダンス、魔術、占いなど様々な形態をとる

 

シャーマニズムは日本古来の原始宗教と言えますが、日本だけでなく世界各地で現在も信仰されています。

 

どこにある?

恐山は青森県の下北半島に位置します。2つある半島のうち、まさかり型の方です。

下北半島のど真ん中に山に囲まれた湖があり、そのほとりに恐山菩提寺がひっそりと佇んでいます。

 

恐山を知ったきっかけ

元々何にも知らない状態で生まれてきたのに不思議なもんです。物事を知るきっかけって色々あると思います。今自分が当たり前のように知っていることについて辿ってみるとこれが中々面白い。

 

恐山のことを知ったのは子供の頃です。きっかけは漫画。週刊ジャンプで連載していた『シャーマンキング』でした。弟が週刊ジャンプを購入し、わたしはその中で気に入った作品の単行本を集めていました。でも最後の方読んでないんだけど…結末どうなったの?是非、教えないでください。

シャーマンキング 完全版 全27巻+公式ガイド 完結セット (ジャンプコミックス)

シャーマンキング 完全版 全27巻+公式ガイド 完結セット (ジャンプコミックス)

  • 作者:武井 宏之
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/02/28
  • メディア: コミック
 

 

この漫画の中で、イタコのアンナというキャラクターが登場します。フルネームは恐山アンナ。『おそれざん』ではなく『きょうやま』という名字です。どっちにしろ怖いよ。恐山出身でイタコのおばあちゃんに育てられたという設定でした、確か。

 

この漫画で『イタコ』『口寄せ』『シャーマン』と立て続けに新たな知識を得たわたしでしたが、『恐山』に関してはどういうわけか実在していないと思っていました。怖そうだから『という設定』にしておこうという子供心でしょうか。

 

わたしはいつの間にか『恐山』が青森にあると知っていました。でも、自分の人生を回想してみてもその衝撃の事実を知るシーンが思い出せない。大人になるってちょっと切ないです。

 

一人で行くような場所なの?

恐山へはJR大湊線・下北駅の駅前から出ているバス(冬期運休)で向かいました。市街地を抜けてもなお車内に居る人達はみんな恐山行きです。

※このバスは18きっぷの対象外です

 

恐山行きのバスに乗るのが一人きりだったら心細いなと思っていましたが、全くそんなことはありませんでした。日曜日だったからかもしれませんが、バス車内の席はそれなりに埋まりつつも 相席になるほどではありませんでした。

 

連れ合いとソロの比率

ひとりでやってくる物好きはそうそう居ないだろうと思っていましたが、意外にもソロの方が多い印象でした。連れ合いとソロの比率はざっと1:3くらい。

よく考えたらみんなでワイワイ行くような場所ではないか、と思い至ってなんとなく納得。ただ、ひとりでやってきた物好きな女はわたしだけでした。たぶんこの日だけ。一組だけ外国人カップルもいました。

 

冷水

山道のバス移動はよく揺れる印象がありますが、下北交通さんはソフトな運転で 非常に快適でした。スピーカーからは恐山に関する解説が流れてきます。この音量が控えめで、エンジン音にかき消されがちなのが唯一ちょっと残念でした。下北交通さん、よろしく頼む!

 

途中の『冷水(ひやみず)』というスポットで一時的に停車してくれます。

木でできた冷水に関する説明の看板

おいしい水が湧いているから降りて飲んでおいでとアナウンスしてくれます。寿命が延びるんだとか。みんなわらわらと降りて、思い思いに水を飲んだり、写真を撮ったりしていました。

わたしも両手に溜めて飲んでみたので、両手にひとすくい分くらいの寿命が延びたと思います。こういったささやかで思いがけないイベントは嬉しいものです。

 

バスの車内にふわりと香る

もうすぐ到着するかと思われる頃になると、ある香りが車内にふわりと漂います。硫黄の匂いってやつです。温泉(硫黄泉)とか火山地帯の匂いって言ってもよいかもしれません。

硫黄そのものは常温で固体だし匂いはしないだろうから、正確には硫黄化合物の匂いでしょうね。ちなみに中学校の理科で習う『卵の腐った匂い』は硫化水素で、これを水に溶かしたものが硫酸です。

 

大学生の時の話で、真夏の暑い日に研究室に居たリュウさんという留学生が『こんなに暑いとぼーっとしちゃうから、間違って硫酸飲んじゃうよ』と覚えた日本語でブラックジョークを飛ばしていたのを思い出しました、今。

間違って硫酸飲んじゃったら、応急処置として急いで牛乳を飲んでください。

 

窓から見える湖

バスの車内に例の香りが漂う頃に大きな湖が見えてきます。湖底から硫化水素が噴出しており、水質はpH3の強酸性。文字通り硫酸の湖ってわけです。例の香りの正体です。悪そうな雲の下で、抜群の透明感を誇っています。

バス車内から見える宇曽利湖

それもそのはず、強酸性の環境では生きられる生きものが限られています。もちろん生きものが皆無ではなく、この宇曽利湖にはウグイという魚が生息しているそうです。因みに海底火山の熱水噴出孔にも高温・強酸性の環境が好きな生きものが生息しています。

 

この湖を眺めているうちに三途の川を越えました。

え?

あっさり三途の川、越えちゃったよ…

 

ちょっとあの世へ行ってきます。

 

恐山菩提寺に到着

三途の川を越えるとすぐに恐山菩提寺に到着。

恐山の入口前に居るお地蔵様

静かです。少なくともこの日は観光客がわいわいするようなこともありませんでした。 厳かな気持ちになります。

 

皆様がお出迎えしてくれます。手前に見えるカラフルなものは花ではなく風車です。

恐山の入口前に居る6体の仏像

風車はこの地の象徴的存在と言えます。

 

『菩提』とは悟りのこと。『菩提寺』は先祖代々の位牌を納めてあるお寺のことだそうです。死者の冥福を祈るというか、亡くなった方が悟りを拓けますようにという祈りが込められているのでしょうか。風車を備えるのは水子供養の寺でもあるからのようです。

 

恐山菩提寺の門

さて、帰りのバスまで1時間ほど参詣してまいります。

 

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